第1話をお送りしています。
目次
変態はバーにいる
薄暗がりのバーのカウンターに男が座っている。
平日の昼間からやっている静かなバー。
「マスター、いつものをください。」
なれた手つきでドリンクを作り
マスターが手渡す。
「はい関根さん、炭酸水です。」
「ありがとう。」
関根は、炭酸水を飲みながら
平日の昼下がり、ここで時間を潰している。
お酒を飲むわけでもない。
もちろん、女性がいてくれたらな、とは思う。
さらに誰もいない時間が長いと、
男性でもいいから来てほしいと思う。
一方で誰もいない日は、
それはそれで
マスターを独占出来る、と思ってうれしくも思う。
昔はビールも飲んでいたけれど
今では炭酸水か水だ。
高いチャージだろうか。
平日の昼間に、
自分のような男の暇つぶしに
マスターは付き合ってくれるのだと思うと、
あまりに格安なサービスで恐れ入る。
落ち着いた雰囲気の暗いバー、
ただ関根は今日もパンツ一丁である。
その姿から、ここが特別なバーであることがわかる。
「今日も、俺だけかね。」 「そんなことはないと思いますよ。きっとそうしてる間に、ほら」




